インドネシアにあるレウォトビ火山ではたびたび噴火が発生しており、今後も活発な活動が予想されそうです。
この記事ではレウォトビ火山の過去の噴火歴や、バリ島への影響、さらに富士山が噴火した場合はどの程度の被害が起きるのか?レウォトビ火山と比較して見ていきたいと思います。
レヴォトビ火山とは?

項目 | 内容 |
---|---|
位置 | インドネシア、フローレス島(東ヌサ・トゥンガラ州東フローレス県) |
標高 | 約1,584 m(5,197 ft) |
火山タイプ | 双子成層火山 Laki‑laki(オス) Perempuan(メス) Laki‑lakiが活発 |
直近の活動 | 2025年1月~噴火継続。2025年3月には噴煙が16.1 km(53,000 ft)に到達 |
噴火の規模 | VEI=3(2025年6月17日の爆発的噴火) |
火山警戒レベル | 2025年2月、インドネシア火山地質災害対策局(PVMBG)がレベルIVに引き上げ |
被災状況 | 2024年11月の噴火で9人死亡・複数村で学校や家屋が破壊、航空路混乱、約10,000人が影響 |
住民影響 | 2025年6月時点で約84,000人(30 km圏内)、約740,000人(100 km圏内)が影響圏 |
レヴォトビ火山はインドネシアのフローレス島に存在する火山です。
標高1584mだと、日本でいうと「中くらいの高さの山」ですね。富士山と比べると4割ほどの高さです。同程度の高さの山は日本ではこのあたりが存在します。
山の名前 | 標高(m) | 都道府県 | 特徴・コメント |
---|---|---|---|
霧島山・高千穂峰 | 1,574 | 宮崎・鹿児島県 | 神話「天孫降臨」の舞台。霧島連山の主峰の一つ。 |
赤城山・黒檜山 | 1,828 | 群馬県 | 赤城山の最高峰。ちょっと高めだが目安に近い。 |
阿蘇山・高岳 | 1,592 | 熊本県 | 活火山。阿蘇五岳の中で最も高い。 |
吾妻山(一切経山) | 1,948 | 福島・山形県 | 吾妻連峰の火山。浄土平など観光地も多い。 |
大台ヶ原山 | 1,695 | 奈良・三重県 | 世界遺産「熊野古道」近く。多雨地帯で有名。 |
レヴォトビ火山の過去の噴火歴や被害の大きさ
レヴォトビ火山の過去の噴火歴はこのようになっています。
年代 | 噴火概要 | 備考・影響 |
---|---|---|
1675年頃 | VEI=3 前後の大規模噴火 | 歴史記録に残る大規模噴火の一つとされる |
1869年/1907年 | 局地的被害あり | 火山活動による死者あり |
1991年5–7月 | ストロンボリ式爆発・噴煙300 m | 7月も継続的にガス放出 |
1999年7月1日 | 強噴火・火口周辺に森林火災 | 飛散物が500 m到達 |
2002年10月12日 | 小規模爆発・噴煙500 m | 火口周辺へ飛散 |
2003年5–7月 | 連続爆発と火山灰放出 | 6月には300–350 mの噴煙 |
2008–2009年 | 改めて警戒レベル引き上げ | 地震活動と白煙噴出観測 |
2011–12年 | 小規模の白煙・微震あり | 活動は比較的穏やか |
2013–15年 | 白煙や熱異常の断続的観測 | Alert2への引き上げ、VAA警報もあり |
2023年12月〜2024年 | 小規模爆発・溶岩流・火山灰 | 陥没、火砕流、村落被害あり |
2024年11月3日 | 強力噴火・2000 mの噴煙/雷鳴 | 火砕流・村に影響・死者9名報告 |
2025年3月21日 | 噴煙1万6000 m超の大規模噴火 | 航空運航に影響の可能性 |
2025年6月・7月7日 | さらに2回の高噴煙噴火(1万6000–1万9000 m) | 日本でも津波懸念あり、気象庁が監視 |
2025年7月1週 | 活発な火山活動継続(白煙約500 m) | インドネシア火山地質災害対策局(PVMBG)警戒レベル4維持 |
2024年には大型の強力噴火が起こり死者9名、そこからさらに大型の噴火が2025年になって3度確認されています。2024年以降大型の噴火が連続で起こっており、今後もさらなる警戒が必要な状態です。
バリ島への影響は大きいのか?
近隣にある観光スポットであるバリ島についても大きな影響が出ています。特に「火山灰の影響による飛行機の運休」が特に大きな影響を与えています。
バリ島はレヴォトビ火山からおよそ300km~350km離れています。
火山灰は航空機エンジンを傷つける恐れがあるため、高濃度の火山灰が飛んだ場合そのエリアが「飛行禁止区域」に指定されることがあります。
2025年7月7日におきた噴火の影響についてはこちらです。
☑️レヴォトビ火山噴火によるバリ島への影響
- 噴煙は 18 km に達し、火山灰が上空に広がったため、安全上の理由から バリ国際空港(ングラ・ライ国際空港)発着便に少なくとも24便の欠航・遅延が発生
- 関連航空会社は、Virgin Australia、Qantas、Jetstar、AirAsiaなど多数
- 影響範囲はオーストラリアだけでなく、シンガポールや韓国便にも広がり、同日午後まで混乱が続く
- バリ島の町並みについては降灰などの影響はなし
噴煙16000m~18000m級の場合、火山灰がジェット気流に乗り、1000km以上の範囲に火山灰が広がることもあるそうです。今回は降灰の影響はありませんでしたが、今後火山活動が起こった場合は、バリ島への行けなくなる可能性が十分にあります。
公式サイトや航空サイトを確認し、欠航や遅延がないか確認しておきましょう。
富士山の噴火はレヴォトビ火山以上の被害が出る?

日本の山といえば富士山ですが、その標高は3776mとなっており、レヴォトビ火山よりもさらに高いです。もし噴火した場合、それ以上の被害が出るのでしょうか?
富士山の過去の噴火の記録がこちら
噴火名 | 年代(西暦) | 噴火概要 | 備考 |
---|---|---|---|
長尾山噴火 | 約5,000年前 | 噴火活動が非常に活発に | 溶岩流・火山灰・火山弾 |
貞観噴火(じょうがん) | 864年(平安時代) | VEI=4(中規模)青木ヶ原樹海ができる | 東側に大量の溶岩流。甲斐国(山梨)に被害 |
宝永噴火 | 1707年(江戸時代) | VEI=5(大規模)最後の噴火 | 火口は山腹(宝永山)。大量の火山灰が江戸(東京)にも降った。地震(宝永地震)の後に発生 |
小規模噴気・地熱活動 | 江戸末期以降〜 | 火山性微動や地熱が観測される | 地下活動の兆候として注目されているが、大噴火には至っていない |
富士山は大昔に活発に火山活動を繰り返し、現在までの高さに至りましたが、江戸時代に宝永噴火と呼ばれる大規模な噴火を起こして以来、大噴火には至っていません。
しかし数百年単位で大噴火を起こしており、今後も噴火の可能性はあると見られています。
以下、レヴォトビ火山の噴火の被害と、富士山の噴火が起こった場合の被害を比較してみました。
比較項目 | 富士山(予想) | レヴォトビ火山(2025年実際) |
---|---|---|
噴煙高度 | 最大16〜20km(宝永級) | 約16〜18km |
被害地域人口 | 約3,000万人以上(首都圏含む) | 約1万人(周辺の村落) |
避難者数(予想) | 約32万人(火砕流・溶岩流圏内) | 数百人(実際に一部避難指示) |
航空への影響 | 首都圏3空港(羽田・成田・茨城)に加え全国規模で運休可能性 | バリ島・ロンボク島で20便超欠航(観光に影響) |
火山灰の範囲 | 関東全域〜東北・中部まで(風向きによる)電車・水道・通信・物流に壊滅的打撃 | バリ島までは降灰せず、航空のみ一部影響 |
経済損失(推計) | 約2兆円〜10兆円以上(東京機能麻痺時) | 数千万〜数十億円規模(航空・農業程度) |
致死性リスク | 都市密集地を含むため死亡・被災者多数の懸念あり | 居住地は比較的遠く、直接的な死傷は報告なし(2025年噴火) |
御嶽山の噴火について
日本の最近の火山による被害と言えば御嶽山がありますが、2014年におきた御嶽山の被害は人的被害が非常に大きなものでした。
標高は3067m(日本で14番めに高い山)ですが、2007年の噴煙は7000mとなり、多くの死者を出すことになりました。
年月 | 噴火・活動内容 | 規模/影響 |
---|---|---|
2014年9月27日 11:52 | 水蒸気爆発による噴火 | 噴煙7,000m、火砕流半径最大2.5km、死者58名・行方不明者5名(計63名) |
規模で言えばレヴォトビ火山の方が大きいものでしたが、被害の大きさとしては御嶽山の方がはるかに大きいものでした。
このことからも噴火の規模もそうですが、火山の場所や周囲の状況に、被害の大きさが大きく影響されることが分かります。
まとめ
以上、「レウォトビ火山の過去の噴火歴やバリ島への影響は?富士山と被害を比較!」の記事のまとめでした。
レウォトビ火山は現在活動が活発化しているので、今後インドネシア付近に行かれる方は十分な注意が必要です。
ニュースなどをチェックして、噴火の兆候がないか確認することをおすすめします。
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