国立大学病院は7割赤字?それでも潰れない理由と仕組みをわかりやすく解説

「国立大学病院は7割が赤字」
ニュースでこんな話を耳にした人もいると思います。

結論から言うと、これはほぼ事実です。

実際に国立大学病院では、全体の約7割にあたる病院が赤字となっており、2024年度には合計で約216億円の赤字が報告されています。

しかし、それでも大学病院は潰れていません。

なぜ赤字でも運営できるのか?
初心者でもわかるように、シンプルに解説していきたいと思います。


国立大学病院は本当に7割赤字なのか?

現在、全国の国立大学病院は約40〜44施設あります。

そのうち👇
👉 約7割が赤字

というデータが出ています。

国立大学病院長会議のデータによると、令和7年度の収支見込は42の国立病院のうち25病院が赤字となっています。

また厚生労働省の有識者会議の資料においては、

「全国的に赤字病院の割合が増加している状況にあり、本項目は困難度「高」と分類されている」

との記載がされています。

つまり
ほとんどの大学病院は黒字ではないという状況です。

さらに、日本全体の病院でも
👉 約7割が赤字と言われており

医療業界自体は実はかなり厳しい状態にあるのが現状です。


なぜそんなに赤字になるのか?

理由はシンプルで、
👉 お金がかかりすぎる構造だからです。

主な原因はこちら👇

  • 人件費の増加(医師・看護師不足)
  • 医薬品や設備費の高騰
  • 診療報酬(収入)が増えにくい
  • 救急や小児医療など「赤字でもやめられない部門」がある

さらに大学病院は👇

  • 医師の育成(教育)
  • 最先端の研究
  • 高度医療

も担っているため、
👉 普通の病院より圧倒的にコストが高いです。


国立大学病院が潰れない理由とは?

大学病院は“利益を出すための組織”ではなく、医療インフラとして公的に支えられる仕組みになっているため、一般企業のように簡単には倒産しなくなっています。

潰れない理由①:国からの資金がある

国立大学は
「文部科学省」
から資金が出ています。

例えば👇

  • 運営費交付金(国立)
  • 補助金(研究・設備など)

ただし注意点として
👉 赤字を全部補填してくれるわけではありません

参考、国立大学運営交付金の配分状況

(大学の運営交付金の中に、大学病院の運営交付金も含まれている)

ただし運営の殆どは、医療費(患者さんが支払ってくれるお金)で賄われており、教育や研究などに運営費交付金の多くは使われているそうです。


潰れない理由②:大学全体で支えている

ここが一番重要なポイントです。

国立大学は1つの法人として運営されています。

つまり👇

  • 病院(赤字になりやすい)
  • 学部・研究部門(比較的安定)

👉 大学全体で収支をバランスしている

そのため
👉 病院単体で赤字でも問題なく運営できるのです。

日本の大学は、国立・私立を問わず決算書の公開が義務付けられており、基本的には誰でも閲覧可能です。ただし、大学附属病院の収支は大学全体の中に含まれて表示されるため、病院単体の収益構造は外部からは見えにくいのが実態です。

例えば東京大学の財務情報は、東京大学の公式サイトで公開されています。


潰れない理由③:借入もできる

大学病院は

  • 銀行からの借入
  • 資金調達

も行っています。

つまり
👉 一般企業と同じように資金繰りが可能

そのため
👉 すぐに経営破綻することはありません

ただし私立は銀行からの借り入れはできますが、国立病院は銀行からの借り入れは制限されており、国の交付金や財政投融資によって借り入れを行っています。


潰れない理由④:そもそも“儲ける場所ではない”

大学病院の役割は👇

  • 医師の育成
  • 研究
  • 重症患者の受け入れ
  • 高度医療の提供

👉 利益よりも社会的役割が優先される施設

そのため
👉 赤字になる前提で運営されている側面があります


民間病院との違い

国立大学病院と民間病院では、このような違いがあります。

項目民間病院国立大学病院
赤字倒産リスクあり継続可能
目的利益も重要社会インフラ
支援基本なし国・大学の支えあり

👉 国立大学病院は
「社会に必要だから残る仕組み」になっています。

赤字経営が前提とされ、簡単には潰れないようになっているんですね。


大学病院が潰れたケースはあるのか?

結論から言うと、大学病院が潰れたケースはありません。しかし赤字経営や医療事故などによって、かなりヤバい自体に陥ったケースはあります。

大学病院が潰れる原因としては、このようなものがあります。

① 赤字が慢性化

  • 人件費が高い(医師・看護師)
  • 診療報酬は国が決める(値上げできない)

👉利益出にくい構造


② 設備投資の負担

  • 新病棟(数百億)
  • 医療機器更新

👉借入が増える → 経営圧迫


③ 医師不足・人材流出

  • 労働環境が過酷
  • 若手が来ない

👉診療機能が低下


④ 医療事故・不祥事

👉 一気に患者減少
→ 経営悪化

実際過去には東京女子医科大学病院で医療事故が起こり、経営悪化や内部対立によって、経営崩壊レベルにまで問題が大きくなりました。


実際の炎上事例はこちら。


まとめ

  • 国立大学病院の約7割は赤字
  • 医療業界全体も赤字が多い
  • 高コスト構造で黒字化が難しい

それでも👇

  • 国からの資金
  • 大学全体での補填
  • 借入による資金調達
  • 社会インフラとしての役割

によって

👉 赤字でも運営が続いている状態です。

一般人の我々は、大学病院への不安を少しでも減らせるよう努力していきましょう。

そのためには、

  • 重症でなければ大学病院へは行かない
  • 大学病院は紹介状をもらってから行く
  • 軽症の時は地域の病院に行く
  • 救急は必要なときだけ使う

など、気配りが必要になってきますね。


実際の炎上事例はこちら。

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